2月1日のプロ野球キャンプインに向けて、NPB12球団中8球団(の親会社)の株を1株ずつ買い集めるミッションは完了した。これで準備万端──と思っていたところで、ふと疑問が湧いてきた。
「野球の本場、MLBはどうなっているのだろうか?」
ヤンキースやドジャースのような世界的ブランドがあるなら、上場企業として“一般投資家が買える球団”がいくつかあっても不思議じゃない。そう思って調べ始めたのだが、現実は意外とシビアだった。
多くの球団はオーナーグループや大富豪が保有していて、一般投資家が「球団に直接投資する」ルートはほぼ用意されていない。日本とは背景が異なるものの”買えない現実”は同じだった。
……ただ、そこで終わらなかった。
調べ切った先で、「買えるMLB」を2つ見つけたのである。
チケット1枚分の値段で「オーナー」になる
これはもう、野球好き投資家として「買わない」という選択肢はない。 初期投資5万円からNPB8球団の株を購入し、残ったお金の一部をドルに変えて、実際に注文を出した。
これが、晴れてぼくが「メジャーリーグのオーナー(の端くれ)」になった証拠画像だ。

銘柄:ロジャース(RCI)
約定価格:38.39ドル
手数料:0.19ドル
合計:38.58ドル(約5,905円)
銘柄:アトランタ・ブレーブス(BATRA)
約定価格:43.78ドル
手数料:0.22ドル
合計:44ドル(約6,734円)
昨今の円安は確かに痛手だが、それでも2銘柄合わせて82ドル強(約1万2000円ちょっと)。
MLBの球場で言えば、外野席のチケット1枚分くらいの値段だ。たったこれだけの金額で、NPBの親会社株はよくある話だが、「実はメジャーリーグの球団株を持っている」と語れるようになるなら、安いものではないだろうか。
発見①:球団そのものが上場!「アトランタ・ブレーブス」
まず驚いたのが、アトランタ・ブレーブスだ。
この球団は「親会社のスポーツ部門」ではなく、Atlanta Braves Holdings(ティッカー:BATRA / BATRK)という独立した上場企業として取引されている。もともとはLiberty Mediaからのスピンオフで、2023年7月に分離して上場した。
つまり、BATRAを買うという行為は、かなりストレートに「球団(+周辺事業)に投資する」ことに近い。
- 銘柄:Atlanta Braves Holdings
- ティッカー:BATRA(Series A / 議決権あり)、BATRK(Series C / 原則議決権なし)
- 市場:Nasdaq
今回はあえて、議決権のある「BATRA」を選んだ。保有割合は極小でも、「ファンとして経営に“参加する権利”を持つ」ことに意味がある。ここは完全にロマン枠だ。「あの選手を獲得してほしい」などの要望が通るわけではないが、株主総会の通知が来るだけで胸が熱くなるに違いない。
さらに面白いのは、収益の柱が“野球だけ”ではない点だ。球団運営に加えて、本拠地Truist Park周辺の複合開発「The Battery Atlanta」がきっちり事業として存在している。ボールパークを中心に、試合のない日も収益を生む不動産構造に投資できる。これは“野球株”としてかなり稀有な存在だ。つまりこれは「成績」だけではなく、「ボールパーク経済圏」ごと買う銘柄である。
なお、配当については「これまで現金配当を出しておらず、現時点で出す意図もない」と会社が明言している。配当で回収するというより、チームと事業の価値が積み上がる方に賭けるタイプの銘柄である。
オーナー気分を”ほんとうの意味”で味わうには好都合だ。
発見②:日本に近い安心感「トロント・ブルージェイズ」
もう一つ見つけたのが、カナダ唯一のMLB球団、トロント・ブルージェイズ。
こちらはブレーブスと対照的で、球団そのものではなく親会社が上場しているパターンだ。親会社はカナダの通信・メディア大手、Rogers Communications。NYSEにも上場しており、ティッカーはRCI。米国側はNYSE(RCI)で買えるので、今回はそれを選んだ。
重要なのは、Rogersがブルージェイズを所有している点。さらに本拠地Rogers Centreも同じ傘の下にあり、球団とスタジアムが“事業”としてまとまっているのがわかりやすい。
- 銘柄:Rogers Communications
- ティッカー:RCI
- 市場:NYSE ほか
日本でいう「親会社上場型(ソフトバンクや楽天に近い構造)」なので、値動きは“球団単体の勝ち負け”だけで決まりにくい。通信・メディア企業としての業績、金利環境、競争状況……そういう現実も一緒に背負う。
その代わり、こちらは配当がある。配当利回りは株価次第で変動するが、おおむね3〜4%前後のレンジで推移している。チームが勝っても負けても、配当という“ファン還元”がある。そう考えると、精神衛生上はかなり良い投資先かもしれない。
まとめ:同じ“MLB株”でも、買っているものが違う
今回の2つは、同じ「野球に投資」でも中身が違う。
- ブレーブス(BATRA):球団+周辺開発をダイレクトに買う(ロマン枠)
- Rogers(RCI):通信・メディア企業の中のスポーツ資産を買う(現実枠)
ブレーブスは稀有な「球団そのものが買える」例で、ブルージェイズは日本にも近い「親会社ごと買う」パターンである。性格の違う2種類を同時に持つからこそ、見える景色も変わってくる。
これで日米のポートフォリオが揃った。これからはNPBだけでなくMLBも、この2球団を中心にしっかり追いかけていく。試合結果と株価を並べて見る、新しいシーズンの始まりである。

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